振袖の模様解説~古典柄ってどんなものをいうの?~

寒さの厳しい季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。

大分県大分市大道町の大型振袖専門店の「なかの座咲くら KAN」です。

 

この寒さを乗り切れば、いよいよ春までもう少しというところ、咲くらKANでは振袖選びも本格化してきました。

特に、2025年成人のお客様にたくさんお越しいただいています!

 

そんな中『古典柄?っぽい振袖を探していて……』というお声をいただきました。

 

古典柄はとても人気のある振袖の柄のひとつです!

ですが、ぼんやりとしたイメージが先行している方が多いようです。

 

振袖の柄行といえば、とにかく花がたくさん描かれている印象をお持ちの方が多いようで、他にどんな模様があるか、実際に御覧いただくまで、あまり具体的に思い描けなくてうまくスタッフに探している振袖のイメージを伝えられないという事があるようです。

 

そこで今回は古典柄について少しだけご紹介いたしますね。

振袖選びの参考にしていただけると幸いです。

 

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【古典柄とは】

古典柄とは、日本人に古来から親しまれてきた植物や風景を模様として表したものです。

『古典柄』を調べると、まずこんな解説が必ず出てきます。

 

実際に見ていくと、文様(柄)としてはとても幅広いものを指すので、皆様驚かれるかもしれません。

 

よく耳にする代表的なものでは、有職文様(ゆうそくもんよう)・吉祥文様(きっしょうもんよう)があります。

花では桜や梅・菊、松や竹・桐などの木も古典柄のものがあります。

 

流水や雪輪などもそうですね。

 

扇(おおぎ)や熨斗(のし)、鞠(まり)も古典柄に分類されます。

 

こうして少し例を挙げてみただけでも、見たことのある・聞き覚えのある柄が幾つかあったのではないでしょうか。

古典柄が昔から愛されてきた親しみのあるモチーフであることはご納得頂けたかと思います。

 

では、ひとつひとつ画像と共に名前と意味を見ていきましょう。

 

 

【有職文様(ゆうそくもんよう)】

平安時代以降、公家の装束や調度品に用いられた格調の高い文様です。

大変優美で、唐から伝わった文様が平安時代中期頃に和風化したものといわれています。

 

有職(ゆうそく)とは、平安時代の宮中の儀式や行事に携わる知識者層のことで、有職の装束に施されていた文様という所以から、有職文様と呼ばれるようになったとのことです。

 

七宝(しっぽう)

仏教の言葉で、金・銀・水晶・瑠璃・瑪瑙・珊瑚・しゃこの7つの宝を指します。円が四方八方に広がる様子から、人との『縁』の繋がり・円満を意味します。

モチーフとしても可愛らしく、人気の文様です。

 

立涌(たてわく)

吉兆である立ち上がる蒸気を文様化したものです。

ふくらんだ部分に雲や桐を入れたものは、雲立涌・桐立涌などと呼び、他にも幾つか種類があります。

 

亀甲(きっこう)

名前の通り、正六角形の模様が亀の甲羅に似ていることから呼ばれています。

亀は長寿吉兆の象徴なので、とても縁起の良い柄です。また、六角形が崩れない連続した模様は永遠の繁栄を意味しているとのことです。

とあるアニメの影響で、よく目にするようになった文様ですね。

 

 

【吉祥文様(きっしょうもんよう)】

吉祥(きっしょう)とは、よい兆し・めでたい印の意味で、それを表現した文様を総称して吉祥文様といいます。振袖にはぴったりの文様ですね。

 

松竹梅

日本人なら誰でも馴染みのある文様ではないでしょうか。

寒い冬の時期でも変わらぬ緑を保つ松と竹、そして花を咲かせる梅を、古来中国では「歳寒三友」とたとえて清廉な文人の象徴としました。

振袖だけでなく、婚礼衣装や留袖など格の高い着物の模様に描かれることが多いです。

 

こちらも、とても有名な吉祥文様で、日本人なら大抵の人がおめでたいというイメージを持っていますよね。

鶴は古くは「たづ」と呼ばれ、神鳥とされてきたそうです。

「鶴は千年、亀は万年」という言葉にあるように、長寿の象徴ともされてきました。

また、白く上品で美しい姿は、松竹梅と同じく振袖など格の高い着物に多く取り入れられています。

 

末広がりの形から、縁起がよいとされています。

美しい扇の文様は大変優雅です。

 

 

【花・木】

モチーフとしてもとても華やかで可憐な花の模様ですが、それぞれに意味があります。

 

小橘(たちばな)

日本に自生するみかんの一種です。

『古事記』にも登場し、長寿瑞祥の象徴として尊ばれました。

実は、お正月の鏡餅の上に乗せるみかんは、この橘が元になっているのだとか。

 

皆様には馴染み深く、日本人にとても愛されていますよね。

輝く未来の象徴のような花です。

また、『さ』は早乙女・早苗、『くら』は神楽、神様のよりどころを『さくら』と呼んだという説があり、五穀豊穣を表す縁起のよい文様です。

 

言わずと知れた長寿延命と無病息災の花です。

ころんと丸みを帯びた描かれ方が多く、大変可愛らしい文様のひとつです。

 

牡丹(ぼたん)

とても華やかな牡丹は百花の王とも言われ、また瑞花でもあります。

富貴の象徴なので、お嬢様の未来を彩る文様にはぴったりです。とても多くの振袖に描かれる花です。

 

 

【器物(きぶつ)】

現代では使われることのない道具もありますが、着物の文様としてなど、様々なシーンで長く人々に大切に愛されてきました。

 

貝桶(かいおけ)

平安時代、貴族が蛤を使って『貝合わせ』という神経衰弱のような遊びをしていたそうです。後に、貝には蒔絵など美しい絵を描いて愛でたり、歌に詠んだりしましたが、その貝を納める箱です。

嫁入り道具でもあったそうですよ。

 

御所車(ごしょぐるま)

こちらも、平安時代に貴族が移動に使っていた乗り物です。教科書や時代物のドラマでも目にしますよね。

振袖には花を乗せた御所車(花車(はなぐるま)といいます)の典雅な文様がよく見られます。

円(車輪)はどこまでも回転する・縁の意味もあり吉祥の象徴です。

 

熨斗(のし)

普段から目にすることも多い『熨斗』はお祝い事に使用されます。

元々は、アワビの肉を薄く削いで伸ばし乾燥させたものが始まりですが、後にどんどん簡略化されていき、今の形になりました。

 

ここでいう熨斗文様は、普段私たちが使うものとは少し違います。

文様としては、細長い帯状の紙を束ねたものを束ねのしといい、長ければ長いほど長寿祈願となります。

 

 

【風景・自然】

四季を愛する日本では、古来より色々な自然や風景・名所の美しさが語り継がれてきました。

 

龍田川(たつたがわ)

色付いた紅葉が川を流れていく様子を描いたものです。

奈良県にある紅葉の名所・龍田川では、多くの歌が詠まれました。

その美しい名所は古今愛され、着物にも幅広く描かれるほどです。

 

流水

美しい曲線で絶えることのない一瞬の水の流れを表した文様です。

流れる水は留まることはなく清らかで、苦難や災厄を流し去るでしょう。

 

千鳥(ちどり)

群れ飛ぶ千鳥の様子を文様にしたものです。

写実的なものから輪郭だけにデフォルメしたものまで様々で、小さくころんとした文様は大変可愛らしく人気があります。

千鳥の文様は着物だけでなく、洋服にもよく見られます。「千鳥格子(ちどりごうし)」と言えば和服にあまり縁のない方でも馴染みが深いのではないでしょうか。

 

 

【最後に】

このように、古典柄と呼ばれる文様には様々な由来や縁起の良い物が多く見られます。

それは、二十歳になる大切なお嬢様の未来を寿ぎ、豊かな人生であるようにとの願いが込められているからです。

 

このブログが、少しでも振袖選びの参考になれば幸いです!

 

咲くらKANは県下最大級の振袖専門店です。

きっと大切なお嬢様の晴れの日をお祝いするのにぴったりの振袖が見つかるはずです!

 

ぜひ、一度当店にお越しになって素晴らしい振袖を御覧になってみませんか?

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なかの座 咲くらKANは、大分駅から徒歩5分の場所に店舗を構える大型振袖専門店です。

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