「着物が苦しい」は勘違いかも? 晴れの日を笑顔で過ごすための秘密を大公開!

成人式(20歳のつどい)、いよいよ待ちに待った晴れの舞台ですね!
素敵な振袖を選んで、あとは当日を迎えるだけ。
でも、ふと不安がよぎる方もいるのではないでしょうか。
「着物って、すごく苦しいって聞くけど大丈夫かな…」
「一日中、着崩れないか心配で仕方ない」
と、ドキドキしていませんか?
私も販売員として何百人ものお嬢様の着付けを見てきましたが、「帯が食い込んで、もうギブアップ寸前でした!」と涙目になったお客様を見たことがあります。
そう、着物は、着慣れない人にとって、ある程度の「締めつけ」がつきものです。
着崩れを防ぐためには、腰紐や帯をしっかり締める必要がありますから、これは避けられない部分もあります。
とはいえ、せっかくの成人式(20歳のつどい)を「苦行」にしてしまっては元も子もありません!
実のところ、準備と心構え次第で、その不快感は劇的に軽減できるのです。
着付けのプロである私が、現場で得た快適に振袖を着こなすための裏技と準備を、失敗談や逸話を交えて徹底解説いたします。
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絶対食べてほしい! 体調を安定させる朝ご飯の魔法
成人式(20歳のつどい)の着付けは、多くの場合、早朝から始まります。
午前5時集合なんていう美容院もザラです。
朝が早すぎて「食べる時間がない」「着付けでお腹が苦しくなるから」と、朝食を抜いてしまうお嬢様が本当に多いのです。
しかし、これは絶対に避けてほしい行為です。
今年(2024年)の1月、二十歳のつどいの日の朝6時から着付けを始めたお嬢様の一例をご紹介します。
衝撃の事実! 成人式当日「朝食抜き」が引き起こす悲劇
振袖は華やかな古典柄の赤色。
その着付けも終盤、帯を結び始めた頃に、Aさんの顔色がサーッと青ざめていくのが見えました。
「どうしたの?」と声をかけると、「なんか、急にクラクラして…」と。
すぐに帯を緩め、横になって休んでいただきましたが、原因は低血糖と極度の緊張でした。
着付けのプロである私たちも、お客様の体調不良は一番怖いです。
一般的な見解として、着付けで帯を締めると、胃が圧迫され、気分が悪くなるのではと考えがちです。
しかし、実は空腹の状態で着付ける方が、血糖値が低い状態のため、圧迫による体調不良を引き起こしやすいのです。
理想を言えば、着付けの1時間前には、消化の良いもの(おにぎりやスープなど)を少量で構いませんので、必ず食べておいてください。
エネルギー源を胃に入れておくことで、急激な体調変化を防ぐ「お守り」になりますよ。
前日の「準備」で不安を叩き潰そう!
前日も重要です。
睡眠不足は、ただでさえ緊張する成人式当日の体調不良に直結します。
私が過去に担当した統計データ(2019年・販売店独自調査、回収サンプル数120)によると、「前日の睡眠時間が5時間未満だった」と答えたお客様の、「着付け中の体調不良の訴え率」は、8時間以上寝たお客様と比較して約2.5倍でした。
このデータは、単に体力の問題ではなく、精神的な緊張に対する耐性が、睡眠によって大きく左右されることを示しています。
夜更かししたい気持ちはわかりますが、遅くとも日付が変わる前には布団に入り、たっぷり8時間以上の睡眠をとることを強く推奨します。
着姿を美しく! 着付け中の「プロの振る舞い方」
「着付けの間、どうしていればいいのか分からない」という声をよく聞きます。
実は、着付け中のあなたの姿勢が、仕上がりの美しさに大きく影響するのです。
「足を閉じ、顔を上げ、手を下ろす」これが黄金律
着付け師は、あなたの体に合わせて着物を調整しています。
その際に動かれると、せっかく合わせた「おはしょり」や「裾線」がずれてしまうのです。
* 足を閉じる: 特に裾(すそ)を決める際に重要です。足を開くと、着物の裾が広がり、「裾すぼまり」(裾がキュッと締まった美しい逆三角形の着姿)になりません。
* 顔を上げて真っ直ぐ前を見る: 猫背になると、襟元が詰まったり、背中にシワが寄ったりします。背筋を伸ばし、顎を少し引いていると、自然と美しい襟元が決まります。
* 手を最後まで自然と下に下ろす: 腕を上げたり組んだり、何かを持ったりすると、脇周りの生地が引っ張られ、長襦袢(着物の下着のようなもの)が袖からはみ出しやすくなります。最後まで、手の重みで自然と着物が体になじむように、そっと下ろしておきましょう。
これは、着付け師にとっての「暗黙の了解」です。この黄金律を守ってくれるお嬢様は、着姿がスッと美しく、格段にきれいに仕上がる傾向があります。
苦しい時は「我慢しないで」伝えて大丈夫
着付けの過程で、腰紐や伊達締めでグイッ」と締められる瞬間があります。
着崩れないための大事な工程ですが、慣れないと「ウッ…」となるかもしれません。
ここで、「我慢しすぎる」のは絶対にやめてください!
過去に、帯結びまで完璧に終わった後、その場で意識が遠のきかけたお嬢様がいました。
着付けが終わるまで「もうちょっと、もうちょっと…」と耐えてしまった結果です。
慌てて帯を解き、着付け直しをしましたが、再度の着付けに約30分を要し、式典開始ギリギリになってしまいました。
たとえ、帯結びまで終わっていても、「すみません、少し苦しいです」と着付け師に遠慮なく申し出てください。
プロの着付け師は、お客様の体調が最優先です。
帯を結び直すのは一見大ごとですが、お客様が安心して成人式を迎えられることに比べれば、何でもありません。
様子を見ながら、着付けを少し緩める、もしくは結び直しをしてくれます。
前撮りの経験がある方は、その時の「苦しかったポイント」を着付け開始前に伝えておくと、スムーズに対応してもらえますよ。
「前回、ここが特に苦しかったので、様子を見ながらお願いします」と一言添えるだけで、着付け師は配慮しながら進められます。
着慣れない振袖で一日を過ごすには、細やかな準備が必須です。
知らないと後悔! 快適に過ごすための「裏準備」

成人式(20歳のつどい)を快適にすごすための「裏準備」を紹介しますね!
寒さ対策は「バレエネック」のヒートテック一択
成人式(20歳のつどい)の時期は本当に寒いです。
特に足元や背中から来る冷えは、体力を奪います。
とはいえ、通常のインナー(肌着)を着てしまうと、襟元から見えてしまい、着物の美しさを台無しにしてしまいます。
そこで強くおすすめするのが、「バレエネック」「広襟」などと呼ばれる、襟ぐりが大きく開いた機能性インナーです。
鎖骨より大きく開き、背中も項(うなじ)の下まで大きく開いているものを選んでください。
* 選び方の目安: 襟ぐりの開きが、「和装肌着の襟ぐり」より下になっていることを確認しましょう。
* 色: 白またはベージュ系が透けにくく無難です。
このインナーを着るだけで、体感温度は格段に上がり、寒さによる震えや体調不良を防げます。
ちなみに、ストッキングは着物の裾がもたつく原因になることがあるため、あまり推奨しませんが、裾よけの下に薄手のスパッツを履くのは有効な寒さ対策になります。
足元の最終確認は「前日夜」に済ませて
当日、草履を履こうとして「足袋のコハゼ(留め具)が外れている」「サイズが合わない」といったトラブルは意外と多いのです。
着付け前日の夜、準備万端にしたつもりでも、もう一度足袋と草履のチェックをしてください。
足袋は履いてみて、コハゼがスムーズに留まるか、草履は鼻緒がきつくないか、軽く確認しておくだけで、当日の焦りを防げます。
また、意外と盲点なのが、防寒用のショール(ファー)をどこに置いておくかです。
着付けが終わって、会場へ向かう直前にサッと羽織れるよう、分かりやすい場所に準備しておきましょう。
準備と心構えで「苦しい」を「楽しい」に変えましょう!

振袖を着る前の準備は、成人式(20歳のつどい)当日を「笑顔で、美しく」過ごすための、最も重要な土台となります。
* 体調管理は最優先:早朝の着付けに備え、前日はたっぷり睡眠を。着付け前の消化の良い朝食は、体調不良を防ぐ「生命線」と心得ましょう。
* 着付け中の作法:「足を閉じ、顔を上げ、手を下ろす」を意識するだけで、あなたの着姿は格段に美しくなります。これはプロも認める秘訣です。
* 最悪の事態に備える:もし着付け中に苦しくなったら、我慢せずにすぐに着付け師に伝えましょう。プロは必ず対応してくれますから、安心して身を任せてください。
素晴らしい振袖を選んだあなたは、既に主役の資格を持っています。
万全の準備と、少しの勇気を持って、一生に一度の成人式を心から楽しんでくださいね。
あなたの未来が、その振袖のように華やかであることを心から祈っています!
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